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2015年9月 5日 (土)

福島県浜通りに行ってきた

 いばらきコープ主催の日帰り被災地視察バスツアーに参加し浜通りに行ってきた。はじめに訪問地の下左図の提示、つづいてクイズ:岩手、宮城、福島三県の昨年の自殺者数、二県は一桁、茨城県は三桁、さて何故でしょう。理由は容易に推察可。一帯は3.11の地震と津波の被災地だが加えて原発事故の被災地となった。赤の円弧は第一原発からの20キロ圏。ピンク・黄・緑の区分は、帰還困難居住制限避難指示解除準備地域を示す。本日:5日、楢葉町は全地域解除になった。最初の訪問先は楢葉町のハッピーロードネット事務所。”ふくしま浜街道・桜プロジェクト”を推進している代表者の話。この方、避難解除でいち早く戻ってこられ、避難地にいて戻ってきたいという高校生の熱意に応えてNPO法人を立ち上げたという。現在、帰還者より除染作業員の方が多いとのこと。Photo_4
 2番目は事務所隣地のJビレッジ。事故当初からその収束に向けた拠点となり、今は一日7~8千人の作業員のバス送迎にあたる。8面あったサッカーグランドは砂利舗装され数千台の車の駐車場と化した。この施設、東京電力がつくり福島県に寄贈。1997.7.8オープンとある。現在は東京オリンピック前には原状復旧し福島県に返還する約束で県から借り受けている。施設から近くに望見できる煙突は火力発電所(広野町)。現在も首都圏に440万KW/H送電しているという。3番目はJR富岡駅付近。地震・津波後の整理は何もできていない、というより出来なかった。この状況にはただ唖然とするばかり。一方除染の完了した夜の森公園は、人っ子ひとりいないものの眺めは良く、津波の始末と除染のすんだ水田も見える。但しその水田には数千の除染廃棄物を一トン詰めした黒い袋が3段に積み上げられ拡がっている。この袋が多いほど除染が進んでいるともいう。この黒い袋、耐用年数3年と聞いたが、既に破れて露出しているものもある。ブルーシートを架けていた。 4番目は小名浜生協病院で、全国に3台しか設置していないという放射性物質検出装置:ファースト・トラック・ファイバー(FTP)による検出体験。今は落ち着いているが事故以来、子どもを中心に牛久の希望する児童も検査した。10歳の娘さんを持つ父親の話に”検査で問題なしとわかったものの、その子の将来を思うと・・”と絶句されては聞く者も感情がこみ上げた。
  原発問題にわたし達国民はどのように考え取り組むべきなのか。事故後のNHKの特集で”安全”が神話になっていた現実を知り、それさえも無関心であった自分が恥ずかしい。福島第一原発の営業運転は確か昭和46年。そのころ石油の供給に暗雲がきたしつつあり、政府は国民に安価で安定した電気エネルギーとしての原発を推進した。その設置基準は、ほとんどが米国基準の翻訳で、しかも立地条件については国土の狭い我が国には無理とそっくり除外したと放映された
   使用済み核燃料棒の最終処分地の未定からトイレのない高級マンションなとと揶揄されているが、当時は、処分地も原子炉廃棄技術も確立できると予測し期待していたのだろう。実際には技術開発は進まず、危険を避ける人々の意思で処分地も確定しないまま頓挫している。
 では原発全廃?といってもそこに働く人々の生活や自治体の行く末もあり決めがたいと話し手は顔を歪めた。川内原発のように新しい原発運転安全基準をクリアし稼働したが、これ以上の新設や耐用年数の延長などを望む人々は少ないだろう。太陽光、地熱、風力、波力といった自然エネルギーへの転換は強力に進めてもらいたいしその実効性のある計画が待たれる。
 福島県が最も畏れているのは風評被害である。被災地との絆とか、実情の理解を広めるとかではなく、忘れないで福島だと悲痛に語る。除染は公共の施設や道路、宅地、畑、田、里山と進めているようだ。ただ避難を解除されても生活インフラは整備されたわけではない。職場もなく、日用品の買物もわずかにコンビニがあるばかり。被災前のような生活に戻れるには何年必要だろう。
   既に避難地に拠点を移した人々もいる。戻ってくるのは年寄りばかりとも聞く。チェルノブイリの例を引くまでもなく帰還困難地区はいいようもない。山も奥深くの除染も無理だろうし元に戻る保証は誰にも出来ない。政府や識者にはこの結論はあるはず。早く示して救ってあげてください。
  今も電力の供給を受けているわたし達に出来ること、それは風評被害を止め、買物し支援すること。
 案外、原発周辺の技術開発が劇的に進んで問題なしとなる、そんな日を夢にでもみるか。<2015.9.5記>

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