« うしくの学校 3:熱血授業 | トップページ | うしくの学校 5:総合教育技術 »

2016年7月24日 (日)

うしくの学校 4:授業改革

 牛久市教育委員会(以降「市教委」)の”学び合い”導入は平成17年(2015)、前教育長による。研究チームによる準備の一方、それぞれの学校の取り組みもはじまる。筆者が学び合いを知ったのは19年:月刊四宮奥野小教頭先生リポート。巡回を続ける中、導入状況を知るが学校差があり、それだけ困難もあるのかとみていた。ところがここ3年ばかりの学び合いの浸透は力強い。何故? 調べてみると、現教育長の足跡に一致する。
 導入の17年、現教育長は指導課長から神谷小校長に異動。佐藤雅彰先生の知己を得る。ついで平成20年下根中学校校長へ。着任当時の市内中学校は多少の違いはあれ、いわゆる「荒れ」もあった。着任早々「荒れ」授業もある中、そうではない、離脱生徒なしの授業もあると知る。現市教委指導主事豊嶋先生の数学の時間。その授業の観察を得て”学び合い”授業に確信を深め、全校展開を校内研修にアイディアを組み入れ推進する。
 学び合いは一斉授業とは真逆。先生からの一方的な伝授ではなく、子どもたちの力、子ども同士の関わり合いを中心に据える。授業のはじめに課題は提示するものの、先生は教える場面だけではない。子ども同士の学び合う理解をベースに進めつつ、先生は、その子ども同士の学びの様子をじっくり観察しタイミングをみてこまめに会話を刺激する。このコツは、教科差や個人差もあろう。だから先生方は自分の授業を他の先生に公開し意見を頂く。意見の相互交換を通して自分自身の指導アイディアとして吸収する。
 ここで現教育長の下根中での成果を小学館発行の「総合教育技術」の記事を通して知っていただこう。学び合い授業を徹底して推進した成果は編集者の目にとまりインタビュー記事となる。今や市内全校の学び合い指導に携わる先生を多く送りした背景も想像できよう。この雑誌、いわゆる専門誌。先生方必携のよう?Photo_2
左は2012年1月号、右は2013年6月号。表紙を見るとその時代の話題がみえてくる。表紙を拡大してみよう。左の1月号はこちら、右6月号はこちらクリック。
 実はこの雑誌を知る切っ掛けは「うしくの学校」シリーズの発信を思い立ち調べている過程で、発信1号に紹介したブログ:滋賀のタカブーさんからの返信にあった。当時の牛久市の校長先生の言葉[小学館総合教育技術1月号]は忘れられません。早速手配して入手。1月号は小学館S記者の取材記事。この記事を見ていて関係者から続編もあると。6月号がその記事。今回掲載承認を得る先も掴めぬまま記事をスキャンした。PDF1月号は9.33MB、6月号は4.75MB。ダウンロードに少々時間はかかるが、我が牛久市における学び合い授業の成果が掲載されているこの雑誌の存在と記事を知って頂きたいとの思いから。
 雑誌記事と重複するところもあるが、タカブーさんご自身のノートに次の通りメモしていたという。諒承を得て披露する。
市内の全小中学校で授業改革に取り組まれた、茨城県牛久市立下根中学校の染谷郁夫校長は当時、こう述べておられます。
『できる子が教えて、できない子だけが底上げされると困るという人がいます。でも、それは違うと自信を持って言えます。実は(グループ内で聞かれて)教えている生徒たちの伸びの方が大きいのです。できる生徒たちにとっても高い課題をやることで学力が伸びますし、もう1つは人に教えることで、自分の知識が整理されたり、定着したり、伝えるときに論理性が伸びたり、あらゆる力が伸びるのです』」
と。またできない子どもは教えてという言葉が言えずに押し黙ってしまいます。だから授業中にすごく苦しい思いをしているのですよ。でも生徒同士が互いに学べる環境をつくってあげれば、教えてと言えるようになります。教えてもらうのを待っている子どもは、社会にでても指示を待つ人間になってしまいます。しかし、教えてといえる子どもならば、社会に出てから誰かに依存しながらも、人とうまく人間関係をつくり、自立して生きていく力をもった人間に育っていくでしょう。』とも。」
 これまで存じなかった方(教育者でもある)が、こうしたメモを残しておられるのは牛久市民として、とても嬉しい。実績に裏付けられた教育長の学び合い推進が今日の市内全校足並み揃う実施なのだろう。4年目の今年度、学び合いは校長会が中心に。市教委は一人一人の学びを保障する学校づくりから、より高く新たな目標・課題に向けて活動されている。共にその先の成果を見たいもの。

« うしくの学校 3:熱血授業 | トップページ | うしくの学校 5:総合教育技術 »

うしくの学校」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« うしくの学校 3:熱血授業 | トップページ | うしくの学校 5:総合教育技術 »